2024年12月 ~ 庭の草木2024

 2024年12月の庭の植物たちの紹介です。

この記事でご紹介している植物はオリエンタルリリーのディジー、プリンセチア、ハイビスカス マホガニースプレンダーです。

ハズレの球根 ディジー(オリエンタルリリー)

今年7月にヤマユリをご紹介しました。12月に殺菌などの手入れのために鉢から取り出してみましたが、分球なのか木子なのか小さな球根が増えていたものの、本体の球根は大きくなっているどころかほとんど消滅していました。やはりヤマユリは植えっぱなしで何年もという訳にはいかないようです。
さて、通常のヤマユリは花に黄色のスジが入りますが、突然変異により紅色のスジが入る紅筋ヤマユリなるモノが一般的なユリに比べると高額で販売されています。
今回ご紹介する「ディジー」はその紅筋ヤマユリに似た園芸品種のオリエンタルリリーです。園芸品種なのでシーズンになると球根が園芸店やホームセンターで4、5百円で売られています。
球根植物や宿根草の生産・卸を手掛けている花の大和社の球根を付近のホームセンターで購入してみました。ちなみに価格は税別398円でした。
ユリの球根は何度か購入したことがありますが、今回は初めてハズレの球根。根が生えている球根の下部が腐って黒くなっていました。ユリの球根の多くはピートモスと一緒にビニール袋に入って売られているので、購入時の目視ではわかりませんでした。
植え付けようと開封して気付いたのですが、まずは残っている根がボロボロと落ちて黒く腐った部分があらわになり、球根が1枚ずつ剥がれていく始末。

こんな花が咲くユリです

中心部の様子

すべてバラバラに

丁度今年の秋に見たユーチューブの動画で、販売されているチューリップの球根の中には痛んでいるものがあることを知ったので、「ハズレを引いたな」という感想です。購入からしばらく日数が経っていたので購入店への交換や返金の依頼はしませんでした。
大変残念でしたが、機会があればまたチャレンジしてみたいと思います。


プリンセチア

クリスマスらしい植物と言えばポインセチア。ユーフォルビアの仲間の常緑低木で耐寒性はありませんが、緑の葉と赤く色づいた苞の色合いがクリスマスらしさを演出してくれる植物です。改良が重ねられ苞の色は赤だけでなく、ピンク、白、黄色などカラフルでとても目を引きます。
耐寒性が無く日本の路地では越冬できないポインセチアですが、特徴的な赤い苞は生産者さんが温室で「短日処理」という処理を施して色付かせています。
小生が育てているプリンセチアはサントリーフラワーズ社が手掛けるポインセチアの改良種です。ポインセチアに比べ耐寒性に優れ、関東の暖地であれば屋外での越冬が可能なようです。

写真がありませんが、購入したのは2022年のクリスマスの後。2号ポットで売られていた処分品でした。確か元の販売価格は500円程度でそれを300円前後で購入したように記憶しています。小さな小さな2号ポットで500円程度とは季節物とは言え、なかなかの値段だと感じました。

プリンセチアを2年間育ててみた印象ですが、生長する時期はは5月から10月くらい。旺盛に葉を増やしモリモリと育ちます。この期間は水の吸い上げが激しく、水遣りに注意しないと頻繁に水切れをおこし葉が萎れてしまいます。
屋外の日向で育てる鉢植えの植物としては水はけの良い土よりも水持ちの良い土を使ったり、茎や葉を間引いて蒸散を抑えるなどの工夫が必要と感じました。

気温が上がると新しい葉が展開

この時季でも自然に先端が変色します

本格的に寒くなる12月以降は下葉から葉を落していき、ほぼ落葉しますが枯れなければ春に芽吹き始めます。耐寒性に関してはハイビスカスよりも強い印象です。

耐寒性があるプリンセチアは9月以降に屋外で短日処理により先端の葉を色付かせることが出来ます。
家庭での一般的な短日処理の方法は午後5時から朝8時まで段ボール箱を被せ光を遮断するというものです。これを9月から10月の2カ月ほど続けると先端の葉=苞が色付きクリスマスらしさを演出する植物となるわけです。
ですが多くの会社勤めの人にこの短日処理は出来ませんよね。リモートワーカーを除く大抵の勤め人は朝の8時に家に居ないと思いますし、夕方5時にも家に居ないでしょう。
そこで勤め人の小生が行っている“なんちゃって”短日処理は日中は日当たり良く、夜間はなるべく暗くなる場所を探してそこに置くという方法です。プリンセチアはポインセチアに比べ苞が色付きやすいそうで、このやり方でもそれなりに色付いた苞を楽しむことが出来ます。

苞の色付き

売り物には遠く及ばないショボさですが

以上がプリンセチアについてですが、プリンセチアの性質などについてはかつてNHK趣味の園芸でナビゲーターをされていた三上真史さんのユーチューブチャンネル「三上真史の趣味は園芸チャンネル」での投稿「【必見!】プリンセチアはポインセチアより強い!?生産者へ潜入して確かめたら、とんでもない事実が!【園芸】【ガーデニング】」を参考に育ててみました。

冬越しは寒風が避けられそうな場所で


ハイビスカス マホガニースプレンダー顛末記

銅葉のモミジ葉が特徴のハイビスカス マホガニースプレンダーはM&Bフローラ社が手掛けるアオイ科の非耐寒性多年草。名前にハイビスカスとついていますが樹木(木本)ではなく草花(草本)なのでタチアオイ(ホリホック、アルセア)やモミジアオイ、タイタンビカスに近い種類です。
耐寒性は4.4℃(華氏40℉)までとのことで、我が家では屋外での越冬はできないようです。

10年以上前に冬越しに失敗して枯らしてしまい、その後リベンジしようにも売っているのを見かけたことが無いシソアオイ ブラックキングに似ていたので、今年の5月頃に購入しました。

購入時の様子

ラベルには花についての記載が無かったのでネットで調べたところ、短日植物で11月から12月ごろにシソアオイに似た赤黒い花を付けることを知りました。
生育期の春から秋は旺盛に枝葉を伸ばし、地植えにした我が家では草丈約2m、株幅約1mになりました。※秋以降に咲く花を目的に育てたので夏の写真がありません

縦横にモリモリと

モミジに似た葉

花芽を発見したのは10月下旬。開花を楽しみにしていましたが、花色を確認できるほどの大きさの蕾になった12月中旬に最低気温が0℃近くまで下がる日があって一気に葉と蕾が萎れてしまいました。
その後、気温が戻っても回復することは無く、諦めて伐採。残念ながら花を見ることは出来ませんでした。

蕾を発見!

まだまだ小さい蕾

葉が痛みはじめてきた様子

この時期にここから開花できるのか?

0℃近い寒さに耐えられず萎れる

萎れた葉

蕾もダメージ 

諦めて伐採。さようなら

この記事を書きながら改めて調べてみるとマホガニースプレンダーは海外でも販売されていて、カラーリーフを楽しむ植物として紹介されているようです。M&Bフローラ社の出資会社の米ボール ホーティカルチュラル社での紹介ページによると、このマホガニースプレンダーは暑さや乾燥に強いだけでなく、水中での栽培が可能とのことです。

挿し芽での増殖が容易で、生育期に枝先を20cmほど切って湿り気のある土に挿しておくと根が生えてきました。土は培養土でも庭の土でも発根します。
小生はこの方法で来年用の苗を確保して室内で育てています。来年は花は期待せず、旺盛に茂る銅葉のカラーリーフを草丈と株幅を抑えながら楽しもうと思います。